コンタクトレンズ

シニア世代のコンタクトレンズ

シニア世代のコンタクトレンズ使用者の方の中には、パソコンやスマホの画面、本など、近くのものが見づらくなってきたにも関わらず、コンタクトレンズは便利なので、我慢をして、以前からのコンタクトレンズを使い続けている、という人がおられるようです。

今回の記事では、シニア世代のコンタクトレンズ使用者の方が、パソコン・スマホや本を見たりすることも含めて、コンタクトレンズを使用しながら日常生活を送るためにはどのような対策があるのかについて、主な3つの方法をご提案します。


1.モノビジョン法

モノビジョン法とは、片方の目は「遠くが見えるように」、もう片方の目は「近くが見えるように」矯正し、両目を開けたときに、遠くから近くまで見えるようにする方法です。
人間の脳には、ピントのあった像と、ピントの合っていない像が「同時に」入ってきたときに、「ピントのあっている像を選び出す」という性質が備わっているため、この性質を利用することで混乱は生じないで済むわけです。

人の目には、手(利き腕)や足(利き足)と同じように「利き目」があり、左目の働きと右目の働きとの間に優位と非優位(優位眼と非優位眼)があります。
モノビジョン法は、コンタクトレンズの度数を、利き目の方を遠くが見えるように合わせ利き目でない方の目を近くが見えるように合わせる、というやり方です。

 

2.遠近両用コンタクトレンズを使う方法
遠近両用コンタクトレンズとは、一つのレンズの中に、遠くから近くまでのそれぞれが見えるような複数の度数が同心円状に配置されているレンズです。

遠近両用コンタクトレンズの種類には、
1.レンズの中心部に近くを見るための度数、周辺部分には遠くを見るための度数が配置されているもの(2つの焦点があるもの)、
2.中心部と周辺部分との中間に、中間の距離を見るための度数が配置されているもの(3つの焦点があるもの)、
3.中心部から周辺部分に向かって徐々に度数が変化するもの(多くの焦点があるもの)、
があります。

「遠近両用眼鏡」は、レンズの上の方に遠くを見るための度数が入っていて、レンズの下の方に近くを見るための度数が入っており、視線の方向を変えることで、遠くを見たり(上目遣いで遠くを見る)、近くを見たり(下目遣いで近くを見る)、の切り替えをします。
これに対して、「遠近両用コンタクトレンズ」は角膜(目の表面の膜)の上ではあまり動かないので、ピントのあった像と、ピントの合っていない像が「同時に」眼内の網膜(カメラにたとえるとフィルムの働きをしている膜)に映し出される形になります。
1.で記述したように、脳には、ピントのあった像と、ピントの合っていない像が同時に入ってきたときに、ピントのあっている像を選び出す性質が備わっているので、この性質を利用するということです。

 

3.近用眼鏡の併用という方法
コンタクトレンズをつけた上から、近くを見るための近用眼鏡(いわゆる老眼鏡)をかける方法です。
遠くがはっきり見えるような度数のコンタクトレンズを処方しておいて、その状態に「近用眼鏡をつけ足して使用する」という方法です。

 

シニア世代の方がコンタクトレンズを使用しながら日常生活をするための3つの方法を紹介させていただきました。
ご質問やお悩みなどがありましたら、遠慮なく当院にご相談下さい。