コンタクトレンズ

カラコンの安全性とリスクについて

カラーコンタクトレンズ(カラコン)による眼障害が多く報告されています。
カラーコンタクトレンズによる眼障害では、長期間の治療や入院治療が必要になることがあり、永続的な視力低下をきたしたり、最悪の場合は失明につながったりすることもあります。このため、一般のコンタクトレンズ関連のトラブルよりも重症化しやすいことが知られています。

(図1)カラーコンタクトレンズ使用者に生じた角膜感染症の例
角膜の強い混濁と強い結膜充血を生じています

カラーコンタクトレンズのリスク
1. レンズの問題
①レンズ素材の酸素透過性が低いこと
レンズの酸素透過性が低いと、角膜が酸素不足に陥るため、角膜に浮腫(腫れ)を起こしたり、角膜の表面が傷つきやすくなったり、感染症を起こしやすくなったりします。

(図2)角膜表面の傷
黄色い色素に染まっている無数の点が角膜の傷です

角膜の酸素不足が長期間に及ぶと、角膜の透明性を維持するために重要なはたらきをしている「角膜内皮細胞」が減ることもあります。角膜内皮細胞は細胞分裂をしないため、いったん減ると元の数には戻りません。

(図3)カラーコンタクトレンズ使用者の角膜内皮細胞の例
正常と比べて角膜細胞の数が減っているため、一つ一つの細胞が大きく、形も乱れています

カラーコンタクトレンズでは、レンズの酸素透過性を表すDk値(レンズがどれくらい酸素を通すかを示す数値)が10未満のものも少なくありません。
Dk値10未満のレンズだと、12時間の装用でも、装用終了時に角膜の腫れを生じる可能性があります。
ちなみに、クリアレンズでは、基本グレードの素材(HEMA)であっても、Dk値は20前後ですし、上級グレードの素材(シリコーンハイドロゲル)のDk値は100前後です。
つまり、製品によって差はありますが、カラーコンタクトレンズの酸素透過性は、一般的なクリアレンズの半分以下、場合によっては10分の1程度しかないことがあります。

② 着色剤(色素)がレンズ表面(表・裏)に露出しているものがあること

(図4)レンズ内での色素の位置の違い

レンズの前面でもなく後面でもなく、色素をレンズの内部に挟み込み、表面に露出しないようにした「サンドイッチ構造」になっているものが安全です(図4)。
しかしメーカーがサンドイッチ構造を謳っていても、実際にカラーコンタクトレンズの表面を綿棒でこすると、綿棒に色素が付着するような製品もあります(図5)。

(図5)レンズ後面(裏面)に着色されたカラーコンタクトレンズの例
レンズ内面(裏面)を綿棒でこすると綿棒に色素が付着することから、色素がレンズ後面に露出していることが分かります

色素がレンズの前面に露出しているとまぶたと擦れるので、まぶたの裏側の粘膜(結膜)の障害を起こす可能性があり、レンズの後面に露出していると、角膜の障害を起こす可能性があります(図6)。

(図6)カラーコンタクトレンズの着色部に一致した角膜表面の傷
カラーコンタクトレンズの着色部分に一致する形で、角膜表面の傷が黄色く染まっています

2. 処方の問題
カラーコンタクトレンズは、基本的に眼科医の処方なしで購入しているケースが多いことが分かっています。眼科医の処方なしで購入すると、次のような問題があります。
① 本来、コンタクトレンズ装用に適していない人(Q&A参照)にレンズが処方されている可能性があること
② 好ましくないレンズが選択されている可能性があること
③ 使用方法や定期検査などについて適切な説明がなされていないこと

3. 使用方法の問題
① 装用時間やレンズ交換時期が正しく守られていないこと
長時間装用、連続装用、交換時期を過ぎての装用、眼に異常を感じても無理に装用を続ける、など
② 正しいレンズケアができていないこと
③ 眼科で定期検査を受けていないこと
定期検査を受けていないと、異常を早期に発見することや適切な治療を行うことができません。

4. Q&A
1. 眼科で購入できるの?
眼科では、
① コンタクトレンズを使っていい目かどうか、を調べたうえで、
② 安全なレンズを選び、
③ 正しい使い方(レンズの取り扱いや定期検査も含めて)の指導をします。
カラーコンタクトレンズであれ、クリアコンタクトレンズであれ、コンタクトレンズを安全に使うためには、1)眼科で診察を受けて処方してもらうこと、と、2)定期検査をちゃんと受けること、がとても重要です。

2. コンタクトレンズを装用するのに適していない人はどんな人?
① 眼の感染症や角膜に傷があるなど、眼そのものに問題がある人、
はもちろんですが、そのほかに、コンタクトレンズの添付文書には、コンタクトレンズを装用するのに適していない例として、
② 医師の指示に従うことができない人
③ 定期検査を受けられない場合
④ レンズを適切に使用できない人
⑤ レンズ装用に必要な衛生管理を行えない人
が明記されています。