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広島地方眼科学会で発表を行いました。

令和3年11月28日に,広島市の広仁会館で開催された,第80回広島地方眼科学会に出席し,「Withコロナ時代の涙道手術」という演題で発表を行いました。
発表の内容から抜粋したものを紹介します。

1.涙道手術は,白内障手術や網膜硝子体手術などの一般的な眼科手術に比べると,新型コロナウイルス感染のリスクが高いとされます。

その理由は,
1)新型コロナウイルスは鼻粘膜に多く存在すること,
2)新型コロナウイルス感染症の感染経路として,接触感染・飛沫感染のほか、エアロゾル感染の可能性があること,
3)涙道手術では,吸引やドリルの使用など,飛沫やエアロゾルを発生させる手技が多いこと,
の3点です。


2.新型コロナウイルス感染症の終息がまだ見通せないことから,当院では,新型コロナウイルス感染症が身近にあるという前提で,安全に手術を行うための対策を考えてきました。

  • バイパス手術(DCR)は,鼻の中から行う鼻内法を避け,皮膚を切開して行う鼻外法で行う。
  • チューブ挿入術では,鼻の中の操作を必要としない方法で行う。
  • 手術室に入る人数を最小限にする。
  • 手術に関わるスタッフ全員が,サージカルガウン・サージカルグローブ・フェイスシールド・N95マスクを着用する。
  • 飛沫やエアロゾルを発生させる手技は極力避けるが,これらの手技を止むを得ず行うときは,飛沫やエアロゾルを吸引するための器械「口腔外バキューム」を併用する。

保手浜眼科での涙道手術件数保手浜眼科での涙道手術件数

3.当院では,このような対策をとったうえで,令和2年11月から涙道手術を行っています。令和3年11月までの13か月間で,合計47件の手術を行いました。緊急の対応が必要な疾患も含め,涙道手術のニーズに応えていきたいと考えています。

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